早朝6時ちょっとすぎ、木崎浜に来ています。
車のコンソールに表示されている外気温は5℃、冬型の気圧配置により一気に寒くなりました。
木崎浜の隅からところどころ車から降りてまだ暗い海を目を凝らして波をチェックします。
既に西風がピューピュー吹いており寒い。。。寝起きで体温が下がっている体に西風が染み入るようです。
海の状態はタプタプしており、大きなうねりが割れずに防波堤のすぐ目の前まで来ています。
乗れそうにありません。
いつも朝早くから車が停まっているトイレ前にも車は停まっていません。
素通りして加江田ポイントへ。
いつもトイレ前に止まっている車が珍しく加江田に停まっています。
なるほど、そのはずです。今日は木崎浜の中では加江田ポイントがベストです。
徐々に海の状態が見えるようになってきます。
穏やかそうに見える海に綺麗にうねりが入ってきてアウトで割れています。
今日の波情報によれば強い西風によりサイズダウンとの見解でしたが、予報は外れたようです。
昨日と同じようなワイドでピークの広い波ですが、サイズは落ちるどころかサイズアップしているように見えます。
波質は昨日と同じような感じで、長く伸びたうねりはミドル付近でいっきに崩れ始めます。
ピークが広くレギュラーは速そうです。
たまーに入ってくるセットは頭くらいありそうな感じです。
波の間隔が広く、波が一切無いしーんと静まりかえる瞬間もあります。タイミングが合えばすんなり沖に出れそうです。
ただし、セットが入るとしんどそう。
場所:木崎浜 加江田ポイント
天気:晴れ
サイズ:胸肩 セット頭
面:良好
風:オフショア
潮周り:大潮満潮
すでに加江田ポイントにはずらっと車が並びサーファーは明るくなるのを待っています。
普段木崎浜にいらっしゃる朝一の面々が加江田ポイントに集結しているのでしょう。
今日は上級者が多そうなので、おこぼれにありつけることができるかどうか。。。
暗く波の状態もはっきりしない状況の中、いつも必ずトイレ前にいらっしゃる方がまっさきに波打ち際へと駆けていきます。
さすがです。やる気が違います。
それが合図かのように次々と他のサーファーも小走りにビーチへ。
ところで今日はやたら皆走って海に突入しています。波が良いからでしょうか。気合を感じます。
他の方々が駆けていくのを確認して私も準備を始めます。
昨日は風が冷たく耳が痛くなったので、今日は夏に購入した耳栓を試してみたいと思います。
こいつです。
使用感などのレビューは別の機会にお伝えします。
風に吹かれて耳の表面が痛いわけなので耳栓は関係ないかも知れませんが。。。
サーファーズイヤーの対策ということにしておきましょう。
ジタバタと車内で着替えを済ませいざ出陣です。
ビーチサンダルを脱ぐとまるで氷の上を歩いているかのように地面が冷たくジンジンとした痛みに変わります。
私も気がつけば小走りでビーチを小走りで駆けていました。
皆小走りしていたのはそういうことだったのですね。
恐る恐る海水に足を浸けると水の中の方が暖かく感じられ、ほっとします。
満潮のためすぐに深くなり数メートルも歩かないところでゲティングアウト。
心の声「うわー、ここから漕いでいくのかー」
セットに備えて体力は温存したいところです。
できるだけプッシングスルーで泡波を越えていくも、2回ほどしたところでプッシングスルーでは太刀打ちできない分厚い泡波に変わります。
寒いので潜るのにちょっと抵抗がありますが、意を決してドルフィンスルー。
思ったほど寒くない。
RLM最新モデルのセミドライは今のところ1ミリたりとも水を侵入させずに私の体を寒さから守ってくれています。
岸から見ていると大したことなさそうに思えましたが、いざ入ってみると結構キツイ。
沖ではオフショアの風に煽られ霧状の水しぶきを吹きながら綺麗に崩れているのが見えます。
おいしいものは簡単にはありつけない、そんな世の中の法則はこの海も例外ではないようです。
ゴールに到達する過程にある苦しみ。その苦しみを越えてようやく旨みに辿りつく。
サーフィンはまるで人生の尺図のようです。
何度も分厚い泡波に押し戻されながらドルフィンを繰り返しようやくアウトが近づいたと思ったら沖からセットが。。。
また波だらけの白い世界に戻されます。
3歩進んで2歩下がる・・・
これまた水前寺清子の歌のよう。
セットの分厚い泡波と格闘すること数回、セットが過ぎ去った後にはこれまでと一変して静けさが訪れます。
泡で白くなった先には水平線が広がり、今だ!と言わんばかりに渾身の力を振り絞ってようやくアウトに到達します。
アウトには先にゲティングしていった方々が5名ほどの塊になっています。
私もその塊の一つとなり波を待ちます。
セットのうねりがきます。
私と右隣りの方が同時に動き出します。レギュラーです。
私よりも一足も二足も先にテイクオフしていきます。
心の声「テ、テイクオフはやー!」
上手い人が隣を離れたと思い安心して次のセットを追いかけます。
するとさっきの人がいつのまに隣にいて波をさらっていきます。
心の声「も、もどるのもはやー!」
こりゃたまらんとその人の隣を離れるも、まるで幽霊のごとくその方は私のすぐ隣にいて波をさらっていきます。
なんか悪いことしたかな。。。
下手くそな私への洗礼でしょうか、下手くそは隅でほそぼそとやることにします。
追いやられるように端へ移動します。
当然隅っこはピーク側から上手い方々が乗ってくるのでなかなかおこぼれにありつけません。
濡れた耳が風にあたりキンキンと痛み、耳栓の事を思い出します。
「あっ、また耳栓わすれた・・・・」
今日こそはと思ってたのですが、やっぱり今日も付け忘れてしまいました。
普段波乗りの準備ルーティンの中に耳栓を装着するという行動が組み込まれていないため、いつも忘れてしまいます。
そんな感じで数ヶ月もの間いまもなお車の中で耳栓は眠ったまま。
明日こそはレヴューできますように。
いつのまにラインナップの塊もばらけ、人と人との間隔が広がっています。
ようやく波にありつけそうです。
どーん!と、頭の中で効果音がつきそうなうねりが、まるで口を開けるようにピークを広げてきます。
ピークから逃げるように横に移動しながら波に対してポジションをセット。
持ち上げられ一気にボードが走りだしテイクオフ。
高さに対する恐怖感はありませんが、胸サイズとは段違いの速度感とパワーを感じます。
ボトムに降りすぎないようにすぐに右に走る。
これまでにない疾走感。
右手には頭くらいの高さの切り立つ波の壁。
普段無いスピード感に戸惑いアップスンできない。
波の壁にへばり付くように滑っていると壁の傾斜が緩くなり視界が開ける。
あわててトップターンしようとするも変な体勢でのターンに。
波はすぐ追いついてくるので異様な恰好のターンでも波はボードを押してボトムに反してくれる。
ゆるゆるとしたターンを2回ほど繰り返したところで進行方向でも波がブレイク。
泡波の上に乗り上げそのまま沈没。
沖を振り返れば大してボードを動かしていないのに結構な距離を走った様子です。
コントロールして波に乗ったというより乗せられた感じですが、段違いの疾走感とスリリングな乗り味に妙な高揚感を感じドキがムネムネします。
脳内にアドレナリンがドパーッでしょうか。
この脳内麻薬により人はサーフィンにのめり込んでいくのかもしれません。
週2だけのウィークエンドサーフィンのつもりが気がつけば毎朝海通いです。
あぁ楽しい。
やっぱりサーフィンは楽しい!
その後大したライディングはなかったものの、相変わらずの疾走感と意外にパーリングしないスリリングなテイクオフに満足して帰るのでした。
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