長年細くシャープなトライフィンのパフォーマンスショートボードが主流となっていましたが、現在は乗るボードも自由な雰囲気になり、海の中では様々なサーフボードを見かけるようになりました。
クアッドフィンも今や主流となっている他、サーファーの高齢化もあり、新たにシングルフィンやツインフィンも見直され人気の兆しとなっています。
そんな自由な選択肢となったオルタナ系サーフボードについてオルタナ系サーフボードの種類やシェイパーなどについて紹介してみたいと思います。
[ad1]もくじ
オルタナティブサーフボードって?
ロングでもなくパフォーマンス系のショートボードでもない、全く違った発想のサーフボード
オルタナティブという言葉の意味は、「型にはまらない」「既存のものに変わる新しいもの」などといった意味があります。
ロングボードが主流だった時代から、短いショートボードの時代へと変わり、コンペシーンが活発になるとボードは短くなって行き、既存とする主流なボードはシャープなパフォーマンスショートボードとなって行きました。
ロングボードかショートボードか?といった二者択一のような時代に、選択肢を増やしたきっかけとなったのがオルタナティブボードであったと言えます。
ロングでもなく、パフォーマンスショートボードでもない、全く違った発想のサーフボードということですね。
個性豊かなさまざまなオルタナ系サーフボード
オルタナティブサーフボードには様々なものがありますが、その代表格と言えるのが、レトロツインフィンと言われるサンディエゴフィッシュでしょう。
ツインフィンだけでも色々なデザインがありますが、独創的で何とも魅力的なデザインが、現在のオルタナティブブームの中でも最も多くの注目を浴びています。
その他にはパフォーマンスショートボード全盛期の中では、ショートボーダーにちょっと小ばかに表現されていたファンボード。
現在ではミッドレングスと呼ばれ、ロングよりは短く取り回ししやすく、また車にも積みやすいといった短めなレングスからも多くのファンを得てきています。
その影響からか、シングルフィンも見直され、またショートでもシングルを見直し楽しむショートボーダーも増えて来ています。
他にもまるで石鹸の形のようなミニシモンズ、左右非対称なデザインのアシメトリーなど、様々な発想によるオルタナティブサーフボードが存在します。
型にはまらない自分なりにサーフィンを楽しむサーフボードを、オルタナティブサーフボードと呼んでよいと思います。
サンディエゴフィッシュ
フィッシュはニーボードから生まれた!?
サンディエゴフィッシュはオルタナティブサーフボードの中でもその独特なアウトラインで最も多くのサーファーに興味を持たせ、またパフォーマンスショートにはないライディングフィーリングで多くのサーファーを魅了しています。
サンディエゴフィッシュの原型は、1967年南カルフォルニアのメキシコとの国境近くの土地で生まれました。
当時その土地は高速道路も届いておらず、よそ者サーファーを簡単には受け入れないローカリズムの強い閉鎖的な所でした。
そこを地元とするサーファーとしてもシェイプ職人としても天才的と言われたスティーブ・リズによってニーボードを原型としたボードからフィッシュは誕生しました。
若き日のスティーブ・リズは、ピンテールのカッコよさに惹かれ、ピンテールの魅力にハマっていました。
しかしピンテールではニーボードでの足ひれがボードからはみ出し抵抗となっていたようです。
さらにピンテールの細い形状では浮力も得にくいため、ワイドなテールを切り取りふたつのピンテールを組み合わせたのがフィッシュテールの始まりと言われています。
その後弟子としてスティーブ・リズの影響や教えを守るスキップ・フライやリッチ・パヴェルなどのシェイパーにより伝統は受け継がれ、フィッシュブームは様々なシェイパーにより進化を続け今に至っています。
伝統的なフィッシュはレトロフィッシュ、または発祥地のサンディエゴフィッシュと言われ、それをもとに進化をしているフィッシュをモダンフィッシュと呼ばれています。
単にフィッシュと言っても大変歴史と奥の深さがあり楽しさもあると言えますよね。
ミッドレングス
ロングとショートの間?ロングとショートのイイトコ取りで実は魅力が沢山!
ロングボードよりも短く、7フィート代のレングス(長さ)を持つサーフボードをミッドレングスと言われています。
ロングボードを単に短くしたようなアウトラインから、シャープさを感じながらもワイドがあるノーズアウトラインを持つタイプであったりと、同じミッドレングスサーフボードでも、求めるスタイルによって様々な選択肢があります。
フィンセッティングはパフォーマンスショートのようにスラスターやクアッドも存在しますが、流行りはやはりシングルフィン。
またはサイドに小さなスタビライザーフィンをセッティングする2+1セッティングが人気なところだと思います。
魅力はロングのような楽々パドリング性能とテイクオフのイージーさ。
そしてロングのようなグライド&クルージングを楽しめながらも、ロングよりも軽快なコントロールを楽しみやすいといったところでしょう。
また長く大きなロングボードでは置き場に困る日本の住宅環境や、小さめな日本車にも積みやすいサイズであることも、ここ最近ミッドレングスを楽しむサーファーが増えた人気の理由ではないでしょうか。
ただ、短くなったとは言えショートよりはテイクオフがロング並みに早いので、ポイントによっては煙たがられたり、トラブルも多く発生していることもあります。
ポイントによってはロングやミッドレングス禁止といったところも存在します。
ルールとマナーは勿論ですが、入るポイントの状況を知ることや、ショートに比べ有利な分、波を譲るといった余裕も持つ配慮や注意も必要かと思います。
どんなに自由な風潮になっていると言っても、決して波が豊富とは言えない日本の海においては暗黙の了解的なマナーや長年に渡るローカルルールもありますので配慮や注意が必要です。
ミニシモンズ
何とも言えないブサカワなデザインがコレクター魂をそそられる!
まるで石鹸のような形のサーフボード。
基本はラウンドノーズにテールを真っ直ぐブッタ切ったようなアウトラインにツインフィンセッティング。一見すると奇妙とも言えるその形状は初めて見る物に強烈なインパクトを与えます。
このミニシモンズは航空力学や流体力学に長けた、サーファーであり、シェイパーであり、そして航空エンジニアでもあったロバート(ボム)・ウィルソン・シモンズがデュアルシモンズというデザインのサーフボードを開発したのがきっかけ。
このデュアルシモンズを短くした進化を遂げたのがミニシモンズに生まれ変わったと言えます。
レトロツインフィッシュに影響を与えたとも言われています。
人気のオルタナティブ系サーフボードシェイパー
現在人気のオルタナティブサーフボードとは?と聞かれたらよく耳にする、フィッシュの歴史を知る上で外せないレジェンドシェイパーと注目度高いシェイパーを紹介します。
スキップ・フライ
スティーブ・リズの教えや影響を受け継ぐシェイパーの一人。
現在彼のシェイプするボードを新品で入手するのは、日本ではまず困難ではないでしょうか。
リッチ・パヴェル
やはりスティーブ・リズの教えを受け継ぐ後継者としてのシェイパーの一人。
ファイアーワイアーサーフボードでモデルをリリースしている現在若手注目シェイパーの一人、ダニエル・トムソンは、このリッチ・パヴェルから多くの影響と教えを受けている一人。
日本ではPAVELサーフボードとして入手可能でもあるようです。
クリス・クリスティンソン
カルフォルニアのシェイパー。
日本でも最も知られていると言えるサンディエゴフィッシュやオルタナティブサーフボードを生み出すシェイパーとして有名な存在。
スキップ・フライのフィッシュとシェイプに多くの影響を受け、オリジナルに魅力的なボードを生みだし人気を得ているシェイパー。
購入場所によっては偽物も出回っていると耳にするので注意!?
ジョシュ・ホール
スキップ・フライの弟子でもあるカルフォルニアのシェイパー。スキップからサンディエゴフィッシュの全てを伝授された、次世代のシェイパーとして人気を得ています。
彼のシェイプするトラディショナルなデザインのフィッシュは勿論、モダンデザインなフィッシュ、そしてミッドレングスやシモンズにも大変注目を浴びています。
ディック・ヴァン・ストラーレン
70年代から知られたシェイパーであったが、フリーサーファーとして注目を浴び有名になったデイブ・ラスタビッチが彼のシェイプしたフィッシュに乗り、日本を含め世界的に名を知られるようになったオーストラリアのハンドシェイプにこだわるシェイパー。
現在日本で彼の新品ボードを入手するのは、やはりかなり困難なのではないでしょうか?
まとめ
オルタナティブサーフボードでは、フィッシュをはじめ、ミッドレングスでも、ミニシモンズでも、長い歴史があり、進化を遂げて来ている面白さや奥深さの魅力もあると言えます。
温故知新・・・古きを訪ね新しくを知る、サーフボードでこんな楽しさを感じるにも、オルタナティブサーフボードには魅力もあると思います。
ぜひモダンなデザインのサーフボードだけでなく、自分のスタイルに合ったオルタナティブサーフボードにも興味を持ってみてはいかがでしょうか?
「オルタナ系とかオルタナティブサーフボードってなに?」
「オルタナ系に興味あるけどどんなブランド・シェイパーが居るのか知りたい」
「ショートボード以外のボードについても知りたい」