今回は波の測り方についての記事です。
「今日の朝一は胸肩のファンウェーブ!最高だったよ!」
「頭半のホレホレで俺には無理だったわ」
日本ではこのようにカラダの部位で波の高さを表現します。
でもこの表現のしかた、なんだかモヤモヤっとするんですよね。
今回は波のサイズの測り方や、それについてまわるモヤモヤを掘り下げて考えてみたいと思います。
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日本での波の測り方、表現の仕方
さて、波はどうやって測るのでしょうか。
結論から言うと。
適当に測る
です。
それでいいの?って思いましたか?
でも結果そうなります。
いや、厳密に言えば人それぞれ波の感じ方は違うといったほうが正しいのかもしれません。
これじゃスッキリしない?
ではなぜ適当でいいのか、掘り下げて考えてみたいと思います。
日本において、サーファーが波のサイズを表現する場合、一般的には次のように測ると言われています。
海面の平坦なところから測って波の一番高い部分が直立した状態の身体のどのあたりにあるかで波の高さを表現する
例えば
『すね』『膝』『腿』『腰』『腹』『胸』『肩』『頭』
と言った具合です。
頭を越えると
オーバーヘッド(身の丈以上) 頭半(1.5人分の高さ) ダブル(二人分の高さ) トリプル(三人分の高さ)。
頭を超えるとどんどん雑になります(笑)
海外でのサイズの測り方
ちなみに海外での波のサイズの測り方はft(フィート)という単位を使ってサイズを表現します。
1ftは約30㎝。(正確には30.48㎝)
しかしこのフィートでの測り方にはカリフォルニアスケールとハワイアンスケールの二種類あるので注意が必要です。
カリフォルニアスケールは日本式同様に波の正面から見て平坦な部分から波頭までの高低差を測ります。
ハワイアンスケールは波の裏から見て海面と波頭の高低差を測ります。
引き潮の影響により波の裏の海面より波の表の海面の方が低いのでカリフォルニアスケールとハワイアンスケールでは波のサイズが倍ほど違ってくるようです。
例えば3ftだとセンチ換算で約90㎝。
カリフォルニアスケールでの3ftだと日本式の表現では腰腹くらいな感じですが、ハワイでの3ftだと波の裏から測ったサイズなので軽くオーバーヘッドになるようです。
6ftとかになったらダブルオーバーのオッタマゲーな波だとか。
海外サーフトリップで波のサイズをフィートで言われたら、そのエリアがどちらのスケールを使う文化なのか確認した方がよいのかもしれませんね。
日本式の表現はなんかモヤモヤする・・・
さて、話を戻して
日本式の『胸』『肩』『頭』といった波のサイズの表し方ですが、とくに厳密な測り方が決まっているわけではありません。
そのためなんかモヤモヤするんです。
モヤモヤその1
波のどのタイミングを測るの?
波の高さの表現の仕方は
海面の平坦なところから測って波の一番高い部分が直立した状態の身体のどのあたりにあるかで波の高さを表現する
なわけですが・・・
そもそも波の一番高い部分ってどの時点のことなんでしょう。
うねりからブレイクする直前と、テイクオフした後とでは波の頂上の高さも違います。
乗る前の一番高いところを言うのか、
はたまた乗っている最中の一番高いところを言うのか。
人によってその見解は様々です。
どのタイミングで測るのが正解なのかは謎です。
モヤモヤその2
誰を基準にしているの?
例えば150㎝の人の「頭サイズの波」と180㎝の人の「頭サイズの波」とではワンサイズくらい異なることになります。
150㎝の人がボトムから測って頭サイズの波なら、180㎝の人なら肩くらいなはずです。
よく言われている基準が『一般的な男性の身長』なのですが、
日本人男性の平均身長は170㎝くらいでしょうか。
でも平均身長を大きく上回る人や下回る人はいちいち平均身長に置き換えて言ったりするのでしょうか。
おおむね自分を基準にした感じ方でサイズを言っている気がしますが、どうなんでしょう。
私はほぼ平均身長なので解りかねます。
モヤモヤその3
サーファーのレベルによって『サイズ感』が違う気がするんですけど?
一般的には海面の平坦な部分から測ると言われているわけですが、
実際には乗った時の感覚で波のサイズを表現する人が多いのも事実です。
中級者以上になればパワーゾーンをキープしようとするので波の中腹付近にいることが多いのではないでしょうか。
深いボトムターンをする上級者は別として、ある程度のレベルになればライディング中に平坦な部分に居る事はあまりありません。
波の中腹付近に乗っていて波頭が胸あたりにあれば、波の平坦な部分から測ると頭くらいあるはずです。
この場合乗ってる本人は胸~肩くらいにしか感じない人が多いはずです。
対して初心者や初級者の場合はボトムに降りきってしまいがちです。
ボトムから測って波頭が頭の位置であれば、初心者や初級者は当然そのとおりのサイズに感じるでしょう。
このようにレベルやライディングスタイルによっても目線の高さが異なるので波の高さの感じ方も異なってくるはずです。
また、サーファーが感じる波の『サイズ感』は単純に見た目のサイズだけでなく、
ボードを通じて感じるパワーなどのフィーリングや波を目前にして感じる恐怖感や緊張感といった精神面への負荷によっても感じるサイズ感は異なります。
例えば、小ぶりでも水量のあるパワフルな波だと実際のサイズより大きく感じますし、パワーの無いダラッとした波であれば実際のサイズより小さく感じます。
経験や環境が違えばメンタル的な影響も違ってくるため、人それぞれ波のサイズの感じ方も変わってきます。
だから深く考えない
サーフィンなんチャラ協会のような権威ある団体が波サイズの表現方法を厳密に定義しているわけではないので、『どうやって測るのが正しい』なんて答えは無いというのが現状です。
絶対的な測り方がないのであれば当然自分を基準とした相対的な測り方になります。
さまざまな要素を自分というフィルターに通した結果がサーファーが感じる『サイズ感』となるので、人それぞれ感じ方が違うのも当然ですね。
頭とか胸肩なんて表現は、あくまで目安であって本人がどれくらいに感じたかどうかです。
なのでいちいち細かい事考えずに自分が感じたサイズで表現するのが正解なんでしょうね。
よって、冒頭でお伝えしたとおり日本の波のサイズの表現の仕方は『適当』なんです。
いちいち細かい事考える必要は無い!わけなんですが、今回のブログではいちいち細かいことを考えてみましたとさ。
いかがでしたでしょうか。
私の個人的主観も多く含まれているのでそうじゃないだろーって部分もあるかもしれませんが、単なる読み物としてとどめて頂ければ幸いです。
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