仕事サボった罰

客が来ない。暇だ。

廃業の危機感とは裏腹にiinami.comで木崎浜のライブ映像を見てしまうという矛盾した行動。
思えば事業の調子が落ち始めたのはちょうどサーフィンを復活し始めた頃なような。

これまでは暇でも事業を向上させるために有意義に時間を使っていたものですが、サーフィンを復活してからは暇さえあればサーフィンの事を考え
DVDを見たりネットを見たりと集中力に欠けています。

おもむろにアクセスしたiinami.comのライブ映像ではここ数日からすると随分とクリーンになったコンディション。

しまった、今朝行くべきだった。

悪魔「今日もどうせ客こねーよ。今日は波あるぜー、今からでもいっちまおうぜー」

天使「いやいや、事務所に居ないとそれだけで機会損失だよ！仕事しなきゃ！」

悪魔「いこうぜー！」

天使「仕事しようよ！」

そんな天使と悪魔のせめぎあいに悩むこと数分。
あっさりと悪魔の誘惑に乗ってしまいます。

気が付けば、木崎浜の階段前。

そりゃ売り上げも落ちますわ。

そして目の前に広がる木崎浜のコンディションはというと。

別によくねーし！

思ったよりサイズは無くまとまりもない。

仕事サボってまでやる波ではないので帰って仕事に戻ろう。
なんて思いながらもせっせとウェットスーツに着替えるというまたしても矛盾した行動。

でも、ウェットスーツ着ちゃったものは仕方ない。
入らなきゃ。

ずいぶん波乗りをしていないのであっというまに体力は衰えてしまったようで、アウトへでるまでにヒィヒィ。
私が陣取った場所では割れ辛いタル早い波。

ショルダーがあまりないくせにピークだけドパッと巻くように崩れてなんかテイクオフが難しい。ちっと苦手かも。

結構な確率でパーリングしてしまいます。

なんとかテイクオフを成功させると気持ちよくボードが走るのですが、
ミドルからインサイドにかけた特定のセクションで一気にリップが広がってグリっとクローズします。
ダンパーとは違う嫌なクローズの仕方をする危なっかしいセクションです。

かといって激戦区のメインピークにはいきたくありません。

とある1本のことです。

癖のあるピークをなんとかグーフィーへテイクオフ。
バランスを崩しつつもなんとか体勢を取り戻しいつものようになんかぎこちないトップターン。
アップスだかトリミングだかよくわからない不細工な動きでもボードがどんどん加速するのを感じる。

調子よくボードが走ると思ったらその危険なセクションが現れる。
急に波の形相が変わり腹ほどの高さでグワッと掘れてくる。

こうなると私の腕ではどうすることも出来ずに潰されるのみ。
足元だけでボードがめくり上げられ、ボードの上に落下するようにワイプアウト。
その直後に足のくるぶしにボコッ！と衝撃が走る。

やっちまった！

殴打したような鈍い痛みを感じながらボードをたぐり寄せる。
そして自分のボードを見るとなんかいつもと違う感じがします。

あれ？私のボードっていつからツインフィンだっけ？
　　　・
　　　・
　　　・
　　　・
　　　・
　　　・
ってセンターフィンが無くなってるじゃん！

体がセンターフィンにヒットしたらしくその衝撃でフィンが脱落したようです。
ということは・・・どっかザックリやっちゃてんじゃね！？

慌ててあちこち体をさすって確認しますが、切れている感じはしません。
海の中ではよく確認できませんが一番痛みを感じる部分も血はでていないようです。

ほっ・・・よかった。

めちゃくちゃ痛いですがひとまずザックリは免れた様子です。
ていうかFCS2のフィンってそんなことで脱落してしまうことにびっくりです。

いや、むしろ脱落してくれたからこそザックリは免れたのかもしれません。

その後ツインフィン状態で波乗りを続けること1時間。
センターフィンがないとただパドルしているだけでも左右にふらつきやすく安定感が損なわれている感じがします。
そしてテイクオフが遅い。
抵抗が少なくなる分、うねりのパワーを受けにくくなるのでしょう。

しかし、ひとたびうねりを捉えてしまえば旋回性が高く、回りきらずに置いて行かれる事が少なくなります。
これまでにない感触で新鮮です。

ひとしきりツインフィン状態を楽しんで終了。
上陸してビーチをしばらく歩いていると足首から血が出ていることに気が付きます。
そしてボードのテールがガリガリしていることにも。

あーやっぱりボードも私も無傷じゃないじゃん！
こりゃ仕事サボった罰だな。