早朝6時ちょっとすぎ、青島の無料駐車場。
ここ一週間低気圧により劣悪なコンディションと風クローズが続いたため、約1週間ぶりの波乗りです。
今日はサイズも下がりオフショア予報。期待が高まります。
6時を過ぎてもまだまだ日が昇る気配はありません。
空を見上げるとこれでもかと言わんばかりの星空が広がっています。
こんな時間でもこんなに綺麗に星がみえるのかとちょっとした感動を覚えます。今日は天気がよさそうだ。
まだビーチに行っても暗くて波の状態は見えなさそうなのでしばらく車内で待機します。
するとお腹の調子が。。。
入水前にお腹が痛くならないように自宅を出る前にトイレに行くのですが、起きてすぐは腸がまだ寝ているのかどうしても出てくれません。
規則正しい私の体は起床からきっかり1時間後に便意をもよおしてくれちゃいます。
東京に住んでいた頃もこのタイマー設定されたような便意に悩まされたものです。
通勤電車の中で脂汗を垂らしながら周期的に襲い来る腹痛のセットに悶えていたものでした。
すっきりしたところで波をチェックしに。
いまいちはっきり波は見えませんが、サイズは腹くらいに見えます。
うっすら白く見えるスープを見る限り、波は綺麗に割れているようです。
心の声「しまった。。。思ったより小さい。こりゃ今日は木崎浜だったかも」
車に戻りながら木崎浜に行くか悩みます。
今日は日曜日、もしも木崎浜に行ってこちらのほうが良かった場合、確実にもうこの無料駐車場には停められないでしょう。
駐車場代をケチってここで波乗りをすることにします。
6時半。3mmセミドライを着込みボードを脇に抱えビーチへ。
ビーチへ向かう途中お仕事でお付き合いのあるサーファーの方とすれ違います。
今日のコンディションについて少し言葉を交わします。
知人「今日は正面より子供の国に良い型のセット入ってきますよ!」
『子供の国』というのは青島ポイントの左手側に位置するテーマパークです。
サーファーはホテルANAホリデイインを境に左側のポイントを『子供の国』、右側を『青島』と言ったりもします。
既に空は明るくなり、雲の無い澄んだ空と穏やかな海に綺麗なうねりの筋が入ってきているのが視界に飛び込みます。
正面は腹、島寄りは腰、子供の国側は胸くらいでしょうか。
ビーチ伝いに子供の国側へ向かいます。
場所:子供の国前
天気:快晴
サイズ:胸 セット胸肩
風:微弱なサイドオフ
面:クリーン
潮回り:満ち込み七分くらい
海には3名ほど。だいぶインサイドで波待していますが、セットはもっと沖からブレイクしています。
セット以外を狙っているののかな?と考えながらゲティングアウト。
正面から綺麗にブレイクしてくる波が迫ってきます。
岸から見るよりずいぶん良い崩れに感じます。
「うひょ~ぃ!!」
周りには人が居ないため思わず小声で奇声を発してしまいます。
ボードのノーズを沈めドルフィンスルー。
水中で気泡を渦巻ながら目の前を波が通り過ぎていきます。綺麗に波をスルーできたときに見えるこの視界はサーファーの特権の一つでしょう。
アウトに出る途中、またもやしずかで穏やかな水平線にもっこりと長いうねりが見えます。
一息つく間もなくピークを追いかけるように横に移動していきます。
面がクリーンなためパドルもいつもに増してスピードが出ている感じがします。
しっかりとピークを目視しながらピークのボトムにポジショニング。
パドルラッシュをかけることなく、板が滑り始める。
レギュラー方向へテイクオフ。
広いフェイスが視界に広がる。
ボトムに降り切らないようにクイックめにファーストターン。
アップスンともトリミングとも違う中途半端でぎこちないアップスン2、3度したところで
波のショルダーはニョキニョキとせり出しリップがピロピロしはじめる。
思わず波の裏側へプルアウト。
後を振り返るとまだ波は続いている。
心の声「あーっ!もったいない!」
まだまだ乗れそうな波でした。
胸?肩?くらいのサイズですが、フェイスが広くテイクオフ時の傾斜は緩いため恐怖感はまったくありません。
落ち着いて波に対するポジショニングとテイクオフが行えます。
一本乗り終え今日の課題を考えます。
今日の課題
・スムーズなトップターン
・中間姿勢を作る
スムーズなトップターン
1本目の波はしっかりトップターンを行えばプルアウトにならなかったような気がしました。
ボトムターンとトップターンを一連の動作で行いスムーズなターンが行えるよう、トップターンの動作開始を早い段階で意識していきます。
中間姿勢を作る
上手い人のライディングを見ているとテイクオフ時に後ろ足を立たせず立ち上がる途中の中間姿勢を取ったあとに上体を起こしているのをたまに目にします。
ようは一瞬チューブライディングの時の片膝をついた体勢を取っているということです。
私の場合、テイクオフ後ヨイショと飛び乗るように立ち上がるので、足の位置が上手く定まらず異常に狭いスタンスになりこけてしまうことが多々あります。
また、後荷重気味になってテイクオフ直後に加速できていないのではと思っています。いったん中間姿勢を取り前足にしっかり加重を掛けて立ち上がるよう意識してみたいと思います。
一本目を乗り終えゲティングアウトする際、胸肩サイズのイージーテイクオフな波にテンションあがりまくりです。
人も少なくほぼ乗り放題なシチュエーションに自然と顔の筋肉が緩みニヤけてしまいます。
2本目ピークのど真ん中を目指して追いかけます。
多少遠くても面がクリーンなためかパドルが進み意外にも追い付いてしまいます。
横から滑り込むようにピークのボトムに入るとまたもや一気に滑り出します。
既に中間体勢の課題は頭から吹っ飛んで忘れていました。
いつものようにテイクオフ
斜めに滑りおりボトムターン
膝を屈めた低い体勢から見上げる高さにあるトップが目に入る。
伸び上がりギュンとボードが加速したのを感じた直後にすぐさま前足を突っ張り体をボトム側に向ける
アンバランスな感覚を感じながらも波のパワーに押されてボトムに向き直る
テイクオフしたときと同じようにボトムターン
ショルダーが生き物のようにニョキニョキと張ってくる
同じようなトップターンをさらにもう一度繰り返す
3度目のボトムターンでフェイスが切り立ち数メートル先まで波がピロピロし始める
頭の中にボトムターンからリッピングの一連の動作イメージがよぎる
波のてっぺんのピロピロを見上げ出来る限り鋭角にブレイクしてきたリップに突撃
衝撃と共にボードが弾き返えされる
「おぉっ!?」
どういう体の動かし方をしたのかわからないがコケずに着水
そのままスープの上を滑る
スープの先は傾斜を伴いアップスンで抜けようとジタバタしてみる
抜けきれずにスープの傾斜は無くなりアウト側へ飛び込む
どやっ!?といわんばかりにアウト側を振り返る
誰も見ていない。
とはいっても誰かみてたとしてもヘコヘコでショッボイライディングなんでしょうが。。。
最後のリッピングモドキもきっとリッピングと言えるようなものではなかったはずです。
それでもリップに対するなんらかのアクションでコケなかったことと
波のボトムとトップを連続的に行き来できたことで久しぶりにこの上ない満足感に満たされます。
「やっべ!楽しい!楽しい!楽しいぃぃ!!」
ゲティング中顔は完全にニヤけ、いや、笑っていました。
いい型のセットを捕まえて目の前を横切って行くロングボードにもニッコニッコの笑顔で見送ります。
バンザイで応援したいくらいの勢いです。
その後入水から20分でそこそこ満足いくライディングを立て続けに5本。
もう笑いが止まりません。笑顔が溢れ出て顔面の筋肉ゆるゆるです。
テイクオフ時にも笑いながらテイクオフする始末です。
確実にキモイおっさんだと思われたことでしょう。
そんなこんなであっというまに1時間が経過、乗った本数は10本近く
いつもは1時間で4、5本がいいところですが、今日は結構な本数乗れています。そして乗る波乗る波気持ちがよい。
2時間が経過し15本、16本とさらにライディングを重ねます。
しかし徐々に波を捉えるペースが落ちてきています。
人も増え強いサイドオフが吹きツルツルだった面が少しサワサワしています。
G-shockのタイドグラフはド満潮を表示。
うねりに力がなくなり波を捉えられません。
ふと、岸を振り返ればずいぶん岸よりに波待ちしている人々のラインが。
「ずいぶんみんな岸で待つのね」と思いきや、カレントで沖に流されていることに気が付かなかったようです。
どおりで波を捉えられないわけです。
カレントから外れるように横に移動して岸側にもどるもすぐに沖にながされて波待のポジションが難しい。
心の声「ダルイ。。。そろそろ潮時かなぁー」
心の声「あぁ!なるほど!潮時の語源ってそういうことだったんだ!」
そんなことを考えながら、20本乗ったら帰ろうと粘ります。
セットの間隔が長くなりなかなか来なくなりました。
とはいえ、ミドルセクションでも全然乗れる波は来ます。
ミドルに戻りタルくなった波を追いかけまわっていると、セットの存在を忘れた頃にだいぶ沖からセットがブレイクしてきます。
それも一度のセットで5本くらい立て続けに。
体力尽きかけた体で必至にドルフィンスルー。
セットを喰らわない位置までゲティングしその場で波待をするも波が来ない。
煮えを切らしてミドルへ戻るとまたセットが沖から。。。
そんなことを繰り返しながら17本、18本、19本。
日も高く上り雲一つない空から照らす太陽の光がスープに反射して目を開けられないくらいまぶしい。
まるで夏のようです。
3mmセミドライの中にわずかに浸水した水は全部汗じゃないかと思えるくらい暑い。
ようやく20本目を捉え、たいしたライディングはできなかったもののそのまま腹這いになり岸まで帰還。
3時間の波乗りは復帰以来初めてです。岸に上がるとどっと疲れを感じます。
しかし疲労感は充実感と混ざり合い、けだるい疲れさえも心地よく感じます。
心の声「今日もありがとう宮崎!」
ビーチに向かい心の中でそう叫ぶと、自宅で長々と待たせてしまった嫁ちゃんを迎えに恐る恐る帰るのでした。
今日の気づき
トップターンはレールが入っていないためか安定感とスピード感はまだ感じません。
はたしてトップターンと言えるものなのかどうかもわかりません。
ただ一つ言えることは波のトップでのシチュエーションで波において行かれることは少なくなってきたように思います。
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