早朝8時半過ぎ。
熱々のお湯を入れたポリタンクを車に積み込み、車のエンジンを掛けます。
ブロロッとエンジンが掛かり、フロントガラス越しに空を見上げると気持ちの良いほどスッキリと晴れ渡った空が目に飛び込んできます。
車内から見える外の明るい風景とはまったく別世界かのように空気は冷たくコンソールの外気温は0℃を表示しています。
「うひぃー、さみぃー。」
「朝日が昇る前の早朝の時間帯は氷点下だったろうな。」
そんな事を考えながら見た目だけは気持ちのよい空の下、パーム椰子の風のなびき方で風向きを確認しながら国道220号線を走らせ木崎浜へと向かいます。
車のラジオからは何十年ぶりかの大寒波で日本各地では大雪だと元気の良い声のパーソナリティーが言っています。
「こんなに快晴だし、確かに寒いけどこの様子では宮崎は雪降らないなぁ」
宮崎で雪がふるのは珍しいのでガッカリしたような、安心したような複雑な心境です。
今日は日曜日。本来であれば嫁ちゃんと行動を共にしないといけないのですが、さすがにこの寒さです。
寒い車内で嫁ちゃんを待たせるわけにはいきません。
寝ているのを起こさないようにそっと家を出てきましたが、昼までに帰れば大丈夫でしょう。
9時ちょっと過ぎに木崎浜へ到着。
大寒波の予報にも関わらず沿道には沢山の車が停まっており、海はオフショアで整えられた海面に小さいながらもうねりが届いています。
天気: 快晴
サイズ: 腰腹
風: オフショア
面: 良好
潮回り: 引き潮七分
「おぉ、乗れそう!」
空いているスペースに車を停め、波チェックもそこそこに3mmセミドライに着替え準備を済ませます。
6’00″のBiltスピットファイヤーを脇に抱えてそろりと砂浜に足を付けると・・・あれ?冷たくない。
気温0℃でも太陽は出ているので砂浜は凍えてないようです。
しかし安心したのもつかぬまでした。
ドボッドボッと海水に足を沈めていくとまるで氷水のように冷たい。
身体の部分は平気ですが無防備な手足首から冷たさが全身に広がり寝起きの体をさらに冷やしてきます。
なるべく顔を濡らさないようにパドルアウトするもインサイドで割れてくるうねりにドルフィンスルーを余儀なくされます。
海水に濡れた耳はすぐさま冷たさがジンジンとした痛みに変わってきます。
ペラペラのクリーンな海面を1、2度のドルフィンでアウトに到着すると、何故か息が上がっています。
「はぁはぁ・・・あれれ??こんなコンディションでこんなに息が上がったっけ?はぁはぁ・・・」
周りには十数名のロングボーダーオンリーです。
ロングボーダーと同じラインで波待ちするも、当然波を捉えられるはずもありません。
私一人ミドルに下がり波を追いかけまわします。
インサイドでクローズする波ばかりでなかなかミドルで割れてくる波はきません。
ごくまれに腹胸くらいのセットがきますが、当然ロングの方がもっていってしまいます。
ただ波を追いかけるだけの虚しい時間だけが過ぎていきます。
そしてやたら疲れる。。。
週4回ほどのペースから週1回のペースになればそりゃ体力も落ちるはずです。
半年間足繁く海へ通ってせっかくついた体力もこんなにもあっさり無くなってしまうものかと、なんだか悲しい気持ちになります。
厳しい冷たさの中、無防備な顔と手足首は皮膚感覚が麻痺し
顔を触るとまるでゴムでも触っているかのような感触で気持ちが悪い。
しばらくぜぇぜぇ言いながら波を追いかけ追い越されの追いかけっこを繰り返してようやく1本。
見かけだおしの波でブレイクした直後に波は力を失います。
インサイド寄りで捉える波はワンターンしてクローズ。
良くてもワンターンしてへろへろとチョットバックでなんとかパワーゾーンに戻るもそのまま失速し沈没。
そんなライディングばかりです。
「うーむ今日はミドルレングスのディックブルーワーの方が楽しめたかも・・・」
なかなか満足のいかないライディングを重ねていると、毛綿のような大きな埃のようなものが舞っています。
「ん?なんだこれ?こんな快晴なのに雪なわけないよな」
時折ふわふわと舞う埃のようなものは徐々にその量を増し明らかに雪だということわかるくらいに濃くなってきました。
快晴の空に雪。
雪になれていない宮崎県人には不思議な光景です。
不思議な感覚に浸りながら2時間。
大したライディングはできないまでも1週間ぶりの波乗りを満喫したのでした。
雪のサーフィン最高っすね‼︎
確かに寒いと身体が動かない気がします^_^
いのうえ様
コメントありがとうございます!
空模様と雪とのギャップがなんとも幻想的で初めての体験でした♪
こんにちは。いつもありがとうございます!
冬の中でもサーフィンをするのはすごいですね。見ているだけで感動しました。
冬のサーフィンも楽しそうですね。
楽しさが伝わってきます。応援してます!
ryouji様
コメントありがとうございます!
読んでくださる方がいると思うと活力になります!
冬場は寒いですがそれでも人が少ないので夏場以上に楽しめます♪