この記事ではサーフボードのボトム部分のロッカーについて解説していきます。
「ボトムのロッカーってなに?」
「ロッカーの違いはライディングにどう影響するの?」
「自分にはどんなロッカーのサーフボードがいいの?」
そんな疑問を持つ人向けの記事です。
サーフボードの理解を深めることで自分にあったサーフボードがわかり、よりサーフィンが楽しくなるかもしれませんよ。
もくじ
ロッカーって何?
ロッカーの特性と役割
ロッカーとは、簡単に言えばボードの反り(カーブ)です。
サーフボードの性能は、ボトムのシェイプの良さが性能の良さの90%を占めると言われているほど重要です。
シェイパーの腕の見せ所でもあり、シェイプする上で大変気を使っている部分です。
そして、そのボトムシェイプに関わる大事な要素の一つがロッカーです。
基本的にはロッカーカーブが強くなるほどに、コントロール性能がアップしターンが軽く感じられるようになります。
逆にロッカーカーブが少なくフラットに近づくほど、推進加速性能がアップしてスピードを得られやすくなります。
ロッカーカーブが強くなると、ボードの進行方向に対してシーソーのような動きが生じて来るので、パドルやライディングにおいて強めなロッカーに合わせた乗り方が出来るスキルがないと、ノーズからテールへの水の抵抗を生みやすくなり推進加速を得にくくなります。
ロッカーカーブが弱くなるほどペタッと海面とのフィット感が増してボトムの水の流れに抵抗を生じづらくなるので、安定感がアップして推進スピードも得られやすくなります。
またロッカーカーブが強くなると、波の斜面にボードをタイトフィットさせやすく反応もよくなるので、掘れるブレイクの波でテイクオフしやすくなり、フェイスにタイトフィットしたターンやパフォーマンスを行いやすくなるといったメリットも生まれてきます。
ターン性能やパフォーマンス性能を求める上級レベルになるほどに、テクニックで強いロッカーで生じるデメリットをカバー出来るので、上手いサーファーは反応の良さやパフォーマンス性能を優先し比較的強めなロッカーを持つボードを好むようになるのですね。
- ターンしやすくなる
- 掘れた波でテイクオフしやすくなる
- 波のきわどい位置でアクションしやすくなる
- ロッカーのメリットを得るにはスキルが必要
- 安定性が向上する
- スピードが出やすい
- 初心者や初級者に適している
ロッカーのタイプ
ロッカーにはボードの部位によってノーズロッカー、エントリーロッカー、プレーニングロッカー、テールロッカーと呼び方が異なります。
ノーズロッカー
ノーズロッカーとはノーズ付近のロッカーです。
ノーズロッカーは強いほどにパーリングを避けられるメリットに繋がります。
掘れる波で使うボードは比較的フリップ(先端付近の反り)の強いものを見かけ、緩くパワーレスな小波用ではパーリングすることも少ないのでフリップのないボードを見かけます。
- ノーズロッカーはパーリングのしにくさに影響する
エントリーロッカー
エントリーロッカーはその名のとおり水がエントリーする部分のロッカーです。
ノーズロッカーの次の部分です。
エントリーロッカーは波質によって強さを変えることが多く、ロッカーの中でもパドリング・テイクオフ・スピードにとても影響する重要な部分です。
基本的にエントリーロッカーが強いと、掘れるブレイクでボードを落としやすく、またパーリングも避けやすくなります。
ただし、そのデメリットとして水の抵抗を生むので推進加速を得にくくなります。
サイズの大きな波や掘れるブレイクのコンディションで使用するボードは、比較的強めのエントリーロッカーが採用されているのをよく見かけます。
エントリーロッカーが弱めなボードは、水の流れがスムーズでボードを前に押しやすくなります。
それにより、パドリングでの加速がしやすくなったり、厚いブレイクの波でもテイクオフの滑り出しを早めてくれます。
パドリングやテイクオフ性能を強めたボード、また小波用とするサーフボードの多くは、このエントリーロッカーを弱めるのが主流になっています。
- パドリング、テイクオフ、スピードに強く影響する
- ロッカーが強いとパーリングに強くドロップさせやすいが水の抵抗を生みやすい
プレーニングロッカー
プレーニングロッカーは、エントリ―ロッカーからテールロッカーまでの間の比較的フラットなエリアです。
プレーニングロッカーはボードの推進力に大きく影響し、プレーニングロッカーのエリアが広くフラットに近いと水の流れをスムーズに流せるため推進性能やスピードをイージーに得られるようになります。
逆に、プレーニングロッカーが強くフラットな領域が狭いと回転性が高まりターンが軽くなりますが、水の抵抗を生むので推進性能やスピードが犠牲になります。
強めのロッカーを持つボードの場合、全体的にカーブを描くので、このプレーニングロッカーが狭く目立たないボードもありますが、最近では強めと言われるロッカーでも段階的にこのプレーニングロッカーを施しているボードを多く見かけます。
小波用とするモデルにはプレーニングロッカーが弱く広めのシェイプが採用されていますが、スピード性重視なコンセプトのオールラウンドボードでもこのようなシェイプが採用されていることがあります。
- プレーニングロッカーはボトムのフラットな領域
- プレーニングロッカーが緩く広くなるほどに推進性能が向上する
- プレーニングロッカーが強く狭くなるほどに回転性が向上する
テールロッカー
テールロッカーはプレーニングロッカーからテールまでのロッカーです。
テールロッカーは、主にテールコントロールやターン性能に影響します。
テールロッカーが強いほどにターン性能がアップして、軽快さのあるコントロールやイージーなカービングターンを可能とします。
デメリットとしては、パワーのないブレイクしづらい波では波の力を受けづらくテイクオフが遅れたり、パドリングやライディングが不安定に感じる場合もあります。
またマッシーなショルダーの張らないブレイクではスピードを得られづらいといったところがあります。
こういったデメリットを解消して小波用で多くみられるのが、テールロッカーを弱めたデザインです。
ワイドのあるテールと組み合わせ、推進加速スピードを得られやすくデザインされているのをよく見かけます。
また弱めたテールロッカーにキックフリップテールやVEEボトムをミックスさせて、反応の良さをアップさせたりと工夫される場合もあります。
VEEボトムはストリンガーを中心に左右のレールに向けてVの字の山を描くボトム形状で、傾けやすいとされていたボトムデザインです。
- テールロッカーが強いとテールコントロールやターン性が高まる
- テールロッカーが強いと波のパワーを受けにくくスピードも出しにくい
初心者や初級者はロッカーの弱いボードから!
初心者や初級者がボードを購入される際は、まずは強いロッカーのボードを選ばないことです。
初心者や初級者がサーフィンを楽しみながら続けていくためには、「楽しい」「気持ちいい」を感じれることが大事です。
そのためにはいかにパドリングを楽に、いかに多くの波をゲットできるかが課題になります。
ロッカーが強いボードで、パドルが重く、テイクオフもなかなか滑り出さないということになれば、楽しみたいサーフィンも辛くてつまらないものへと変えてしまいます。
初心者初級者が購入の際にボトムシェイプで気をつける点
中古ボードはしっかりとした知識を持つお店で
中古ボードを購入する際は注意が必要です。
安いからといって適当な中古ボードを購入してしまうと、初心者初級者に不適切なボードを買う事になる恐れがあります。
初心者初級者に不適切なボードを購入してしまうと「安物買いの銭失い」になるだけでなく、波に乗れる本数が減って成長を遅らせてしまいます。
ロッカーなど細かい部分の説明までしてくれる信頼を持てるショップを探すことが大切です。
海外ブランドのボードはロッカー強めなものが多い
また海外ブランドのボードは、基本的に海外のパワフルな波を想定していたり、ワールドクラスのトップサーファーからのフィードバックによるパフォーマンス重視のボードが多いので注意が必要です。
「日本の波に合わせた」「日本の波にもベスト!」「ロッカーが弱め」などとあっても、トップサーファーが満足のいくパフォーマンス性を考慮しているため、意外にロッカーが強めなデザインのものもあるので気をつけましょう。
ネット通販でもしっかりスタッフに相談しよう
今やネットでも気軽にサーフボードを購入できる時代になりました。
ネットで購入するにしても、初心者初級者は自分の知識に頼らずやはり信頼できるしっかり相談してくれるところで購入されるのがおすすめです。
まとめ
これまでサーフボードのロッカーについてとボード購入の注意点について解説してきました。
おさらいすると
- ロッカーにはノーズロッカー、エントリーロッカー、プレーングロッカー、テールロッカーに分けられる。
- ロッカーが強くなるほどに、主に回転性が上がるが、加速性・安定性が犠牲になる。
- ロッカーが弱くなるほどに、主に推進加速性が上がるが、掘れた波に弱くなる。
- 初心者はロッカーの弱いボードを選んだ方がよい
- 中古ボード、海外ボード、ネット通販は注意が必要
基本的な知識を得た中で、自分に合ったボトムシェイプを持つボードをみつけ、楽しいサーフィンライフを送っていっていただければ幸いです。
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