前回の話はこちら
バリ島サーフトリップ4日目。
おっちゃんに連れられてついに来たウルワツ。
一人しか入っていないウルワツに恐怖するもなんとか入る決断をし、準備が整ったところでいざ出陣。
様々な店が立ち並ぶ細いクネクネした階段を降りると波に侵食されてできたであろう洞窟に辿りつきます。
その洞窟を抜けるとようやく海に出られるはずです。
ちなみにいつものウルワツの洞窟はこんな感じらしいです。(写真お借りします)
洞窟へ降り立つ最後の階段を目にしたところで絶句。
な、なんだよこれ!
昨日の豪雨のためか洞窟には茶色い濁った水がまるで滝のように轟々と洞窟へ流れ込んでいます。
その洞窟に降り立つためには二つの階段があるのですが、一つは階段の途中で崩れ落ちています。
そしてもう一つの階段(写真お借りします)
この階段から洞窟に降り立つのですが・・・・想像してくださいこの階段には上からドバドバと山水の滝が被っているのです。
さらに洞窟は満潮でたっぷたっぷの海水。
ちょっwwww私が知っている風景と全然違うんですけどーーー!
写真のウルワツの洞窟とは似ても似つかぬ茶色い海水に浸かったおどろおどろしい洞窟の光景がそこには広がっていました。
たっぷたぷの洞窟にはうねりが入り込み周期的にダパッと打ち込んできます。
さらには流木や木の枝やゴミが流れ込んできておりあたりを埋め尽くしています。
茶色い海水は洞窟の海底がどうなっているのかわからないので浅いのか深いのかもわかりません。
岩なのか珊瑚なのか砂なのか・・・ただただ恐怖。
私「これムリっすよ!絶対ボードやっちゃいますって!今日はやめましょう!てか私はやめておきます!」
おっちゃん「俺もこんなのはじめてやて!とにかく後ついてきぃ!」
滝の音で声がかき消されないようおっちゃんはまるで叫ぶように言い放ち滝を被りながら階段から飛び込みます。
(えーーーっ!?まじすか!まじっすかーーー!!)
もう私も行くしかありません。
(えーぃもうどうにでもなれ!)
意を決してうねりが引くタイミングに合わせてボードを放り投げ覆いかぶさるように飛び乗る。
そして次のうねりに打ち付けられないよう必死で階段から離れるようにパドル。
ガリ、ガリガリッ
テール付近に岩が接触した感触。
もうなんどころじゃありません。流木やゴミを掻き分け洞窟を抜けるまで全力パドル。
ようやく洞窟を抜けると左手には断崖絶壁が広がり、その絶壁に波が打ち付けています。
これがウルワツか。
なんだかエライところに来てしまったと実感します。
ウルワツの海にゲティングアウトするためにはさっきの洞窟以外にルートはありません。
当然帰る場合もさっきの洞窟に戻らなくては行けないのですが、どうやって上陸すればいいのでしょう。
ウルワツはインサイドとアウトサイドでは流れが異なりインサイドは強い横方向の流れがあります。
そのため流れにのって洞窟に進入していく必要があります。
帰りは上手く洞窟に進入できるのでしょうか、例え上手く洞窟に辿りつく事ができたとしてもうねりが打ち付け滝を浴びているあの階段をボードを痛めずによじ登れるのかも心配です。
そんなことを考えながらようやく安心できるところまでアウトに出たところで接触した箇所を確認。
フィンのエッジがガジガジになっています。
どうやらテールではなくフィンを削っただけのようです。
よかった・・・
安全圏のアウトにでたところでボードにまたがり岸側を振り返ると、断崖絶壁に囲まれた海に私達二人と先に入っていた欧米人の合計3人だけ。
まさに大自然の秘境という言葉がぴったりなロケーション。
そして押し寄せてくるうねりは分厚くピークのファーストブレイクだけビュッとリップを飛ばしその後ドバッと崩れていきます。
なんというか波の分厚さというか大量の水が押し寄せてくる感じはサイズ以上の威圧感を感じます。
あぁなるほど「水の量が多い」って表現はこういうことなのか。
その時初めてその言葉を意味を実感します。
ゲティングアウトで上がった息が落ち着いたところでトライします。
分厚く威圧感のあるうねりにビビリ気味になりついついピークを外しボードが走りきりません。
乗れないままインサイドに押し戻されアウトへ戻っているとセットが・・・
爆発する特大スープを前にして両手で思いっきりボードを沈めドルフィンスルーをしますが当然ボードから引き剥がされ巻かれます。
リーシュコードがビヨーーーンと伸び、海中で足が引っ張られます。
引っ張られる足の先ではマグロでも釣れたのかというように波に押し戻されるボードがのたうちまわっています。
ボードを体から離してしまったらリーシュが切れてしまいそうです。
こんなところでリーシュが切れたら・・・考えただけでゾッとします。
波は一つのうねりで何カ所かのピークが発生しすぐにクローズしてなかなか抜け切れません。
それでも分厚い頭ほどのうねりからのテイクオフは滑りおりるだけでもスリリングで脳内でエンドルフィンだかアドレナリンだかが出まくっているのか妙な高揚感。
広い海にたったの3人。
乗れるか乗れないかは完全に自分次第な状況です。
そのうち、一人また一人とゲティングアウトしてきます。
きっとこれから続々と人が増えてくるでしょう。
下手くそな私が乗れるのは今の内だけです。
何本か乗ったところでGoProをポケットへ納め、波乗りに集中します。
GoProが無ければ初動がもたつかなくなるので調子が出てきます。
気が付けば不穏な雲もすっきりと抜け青い空が広がっています。
さらには潮が引き始めたせいか波が整ってきました。
ライディングも上向き昨日に続き自分史上最高クラスのライディングが2本ほど決まります。
セットを喰らうとシンドイですが、良いポジションからテイクオフできればそれはもう天国。
気持ちよくトップターンが決まり、ヘロヘロなカットバックでも波を乗り継いでいくことができます。
波が整ってくればあっという間に人の塊が出来上がっており、皆クソうまい。
広いフェイスの上下を最大限活用した動きで加速し、時には飛び、時には大きな水しぶきをはねあげています。
う~んグレイト!
見ているだけでも勉強になる!
あっ、そういえばおっちゃんは??
周りを見渡しますが見当たりません。
さっきは結構南の方のエリアでやってたの見たけど。
そろそろ疲れたし、上手い人多くて乗れなくなってきたし、上がりたいけど・・・
岸側を良く見てみると、入水したときには無かった狭いビーチが潮が引いたせいで断崖絶壁の下に表れています。
そこには見覚えのある色のボードが立っているのが見えます。
もしかしたらあれかも。
最後に一本乗ったところでパドルバックしてビーチへ上陸。
おっちゃんはビーチの木陰に座っており先に上がっていたようでした。
そのビーチからは歩いて洞窟に入れるくらいまで潮が引いており、洞窟の中はさっきまであった海水は一切ありません。
ゲティングアウトしたときとは全く違う様相でまるで拝借した写真のように沢山の観光客が水着姿でくつろいでいます。
轟々と降り注いでいた山水の滝も幻だったかのようにありません。
物々しい雰囲気は無くなり、まさに秘境の観光地の雰囲気です。
ゲティングアウトの時の苦労もまるで嘘のようで楽々と戻ることが出来きました。
おっちゃん「ええの乗っとったやんか。どや、やっぱり来てよかったやろ?」
おっちゃんのいうとおり結果十二分に満足した私。
これまでピャーピャー沢山騒いでいたのが恥ずかしくなり申し訳なく思うのでした。
おっちゃん連れてきてくれてありがとう。
この日撮影したGoProはこちら。
ワイプアウトしまくって最後にセット喰らう無様なオッサンをお楽しみください。
次の話『はじめてのバリ島サーフトリップ⑩』
臨場感半端なくてこちらの心拍数も上がりました!笑
ktr 様
コメントありがとうございます♪
いやぁーもうこんなドッキドキなサーヒンは初めてだったのでそれが伝わって嬉しいです!
Good Job ‼
異国の地でチャレンジ出来る勇気がうらやましい!
さてと、仕事しよ 笑
オッサン 様
コメントありがとうございます♪
基本ヘタレなので今回の一人旅はだいぶ思い切りました!
最高!めっちゃ楽しい!
初心者 様
子供の作文のような幼稚な文章ですが楽しんでいただけて嬉しいっす!